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慢性看護学
- Chronic illness nursing

基本情報

学域名 慢性看護学
Chronic illness nursing
代表者
教授

山口 曜子
- Yoko Yamaguchi
連絡先 TEL:06-6645-3550
MAIL:yamaguchi.yoko@nurs.osaka-cu.ac.jp
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概要  慢性看護学では、肥満や糖尿病などに代表される慢性疾患を有する患者・家族を対象とし、QOLの向上、健康増進のための援助について探求し、患者・家族の心理的、社会的、倫理的問題に対してのアプローチ、セルフケアの支援、医療施設と地域の連携、チーム医療等に関する教育・研究を行っています。
 糖尿病は、予備軍を含めると成人の4人に1人と言われる時代に入りました。慢性疾患の原因となる生活習慣は、現代社会の大きな課題でもあります。病とともに生きる患者とその家族に対し、様々な支援が開発され、看護を担う私たちも常に新たな知見を獲得しながら、それらを現場に還元できる力が求められています。さらに、慢性看護学は病院から地域へシームレスな移行の実現と、継続した連携体制の構築も重要な課題です。慢性看護を追及することは、疾患とともに暮らし生きていく「生活のあり方」そのものを追及し、対象者自らがコントロールできるアシスト方法を見出し、提供していく必要があると考えます。
 また、慢性看護学では、少子・高齢化、疾病構造の変化と医療技術の進歩の中、看護基礎教育の実習環境の変化に対し、現在の学生の背景を見据えた実習教育ツール開発の研究も行っています。看護基礎教育の実習環境は年々変化しています。さらに、デジタルネイティブと言われる現在の学生の教育背景も変わり、看護を提供する上でアセスメントの重要性とその能力を培う実習教育に焦点を当て、現代のデジタル社会に適応した学生にとって効果的な実習教育のあり方を検討していく必要があると考えます。

教育方針

学部教育

  • 成人看護学慢性期では、「成人看護学概論」、「成人看護学援助論Ⅰ」、「成人看護学演習Ⅰ」を通して、生涯にわたり疾病のコントロールを必要とする慢性疾患患者を対象に療養生活を支える援助について教授します。そのうえで「成人看護学実習Ⅰ」に臨み、それまでに培った知識や技術を統合し、実践能力の育成を行います。
    4年生の「統合看護実習」では、慢性期にある患者の寛解期・増悪期・回復期・終末期のそれぞれに応じた個別性のある看護を提供できるように指導しています。

大学院教育

  • 大学院においては、慢性疾患看護の現状と課題について学び、慢性疾患を持つ患者および家族を支援できる研究を行い、現代社会のニーズに応じた慢性看護学に貢献できる教育者・研究者を育成します。

研究指導

  • 学部では卒業研究において、糖尿病患者のケアや慢性疾患患者のケアなど、学生の希望テーマに沿った研究指導をしています。持続血糖測定器や睡眠計などの機器を用い生体情報に基づいたセルフマネジメントの研究も指導しています。
  • 前期博士課程では、自己の臨床疑問や文献検討から研究課題を見出し整理し、基本的な研究プロセスを学び、研究の基礎力の修得を目指します。主に「生活」・「生活者」をキーワードに慢性看護に関する研究、「臨地実習」・「電子化」をキーワードに看護基礎教育に関する研究を行います。
  • 後期博士課程は、修士論文の研究テーマを発展させ、実践に寄与できる看護技法やシステム開発を行い、慢性看護学に資する独創的で意義のある研究を自立的に遂行できる研究能力を修得し、今後の慢性看護学の発展に貢献できる研究者・教育者を育成します。

研究について

概要

  • 「糖尿病のセルフマネジメント」というテーマのもと、生体リズムに基づき睡眠に影響する要因である食事のタイミングに着目し、血糖変動(血糖スパイク)の是正に繋がる生活習慣の改善を目指した糖尿病患者の自己管理能力の獲得とその支援方法の開発に取り組んでいます。
  • 「交代制勤務の看護師の睡眠」をテーマに、 生活習慣病予防および是正に繋がる生活行動パターンをAIで解析し、概日リズムの乱れを是正する生活行動パターンを見出す研究を大阪府立大学の工学部と取り組んでいます。

領域を代表する業績

業績

  • シフト勤務看護師の概日リズム実態調査とAI解析による是正生活パターンの検証
  • 生体リズムに基づいた糖尿病患者教育の構築-睡眠と食事のタイミングに着目して
  • 高齢心不全患者におけるビデオアシスタントツールを用いたACPの効果

主な研究内容

  • 生活行動パターンの是正に関する生体リズムに着目した研究
概要 「生体リズム」、「睡眠の質」、「生活習慣病の発症予防」をキーワードとし、生体リズムの乱れを是正する生活行動パターンを明らかにする研究を行っています。
主に、睡眠覚醒や代謝系活動に影響する生体リズムの乱れに関係する因子を取り入れた糖尿病を含む生活習慣病の患者教育の援助に繋がる研究、仕事上概日リズムの乱れが生じる看護師を対象に、概日リズムの乱れを是正する生活パターンをAIの解析で見出し、健康な人々も含め慢性疾患患者の生活習慣病予防あるいは是正につながる生活行動パターンを明らかにする研究に取り組んでいます。
  • 看護基礎教育における成人看護学慢性期看護実習記録の電子化に関する研究
概要 成人看護学慢性期看護実習に活用できる実習記録の電子化や実習記録をアシストするツール開発の研究を行っています。
  • 心不全患者に対するアドバンスケアプランニングの評価に関する研究
概要 心不全患者は疾患的特徴からがんと違い予後予測が難しく、最後まで治療が優先となる傾向があります。人工心臓植え込みや心臓移植などの治療の選択肢も多く、終末期など将来の見通しや治療の希望などについての話し合いがなされない現状にあり、症状の増悪時や終末期には自ら意思決定ができない状態にあることも少なくありません。そんな中、事前に将来の治療や療養の希望について話し合い、その希望をいかに医療に反映するかというACPの実践的な試みを行っています。

主要な著書・論文

  • 山口曜子,村内千代,大倉瑞代,横田香世,任和子, 糖尿病看護に従事する看護師の予防的フットケアに関する調査 -糖尿病専門施設において-, 糖尿病, 60(3), 1-8, 2017.
  • Kiyoko Tokunaga, Yoko Yamaguchi, Miwa Yamamoto, The Evaluation of Nursing Students to Nursing Skill Practices Using the Blended Learning in Japan, Intarnational Journal of Learning and Teaching, 31,19-22, 2016.
  • 山口曜子,徳永基与子, 新人看護師の離職につながる要因とそれを防ぐ要因, 日本看護医療学会雑誌,16(1),51-58, 2014.
  • Yoko Yamaguchi, Effects of an Education Program to Promote Behavioral Intentions in Working Patients with Type 2 Diabetes, Yearbook on Japan Society of Nursing Research, 29-37, 2014.
  • 趙崇来、小笹寧子、任和子.糖代謝異常を有する高齢心不全患者における低強度運動の糖代謝に及ぼす影響,日本心臓リハビリテーション学会誌,22(4),293-300,2016.
  • 趙崇来、森安朋子、利木佐起子. 臨床看護師,模擬患者との協同によるシミュレーション教育を取り入れた学内演習の効果‐術後1日目の看護‐, 佛教大学保健医療技術学部論集,10号,63-72.2016.

スタッフ

教授 山口 曜子
講師 趙 崇来
特任講師 岩﨑 賢一